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CBR1000RRインジェクションコントローラーRAPiD BIKE導入編

インジェクションセッティングとは? (2005.06.04)

CBR1000RRの燃料供給はキャブレターではなくてインジェクションだ。エンジン回転数・スロットル開度毎のマップをCPUが持っていて適切な燃料量の噴射制御をおこなっている。ただ当然の事ながら,そのセッティングは純正エキパイでおこなわれているため,エキパイを交換すると排気効率・特性の違いで燃料が薄すぎる(濃すぎる)場合が出てくる。そこで,インジェクションコントローラー(サブコン)を取り付け噴射量の補正をおこない,適切な燃焼を促進してやろうって作戦だ。

また,コントローラーをつけると,エキパイ交換時だけでなくエアフィルター交換時・季節毎はもちろんのこと高地トレーニング(?)時にも簡単にセッティング変更できるようになるのでとても便利だ(...セッティング迷路に嵌る場合もあるけど...)。

これがキャブレターと違って便利な点で,キャブレターでは,セッティング変更する場合はキャブレターを分解してノズルとかニードルを交換する必要があり,あまり手軽にはできないため妥協のセッティングでお茶を濁すことになるんだ。

インジェクションコントローラーの選択(RAPiD BIKE) (2005.06.04)

バイク用のインジェクションコントローラーといえばなんといってもDynojet社のPowerCommanderが有名だ。多くのユーザーがいるため情報も豊富でまず間違いない選択だろう。ただ,CBR1000RR用は点火進角制御は別モジュールになるのが欠点といえば欠点か。

そこでチョイスしたのは,DimSport社のRAPiD BIKE 2だ。このユニットなら点火進角制御も可能だ。問題はPowerCommanderに比べてあまりにマイナーなので情報がほとんどないって事だろう。さて,下の画像がパーツ一覧だ。

モジュールユニット

RAPiD BIKE モジュールユニット

これが本体だ。ここで各種制御をおこなうぞ。サイズは幅80mm×奥行き67mm×厚さ27mmだ(コネクタ部含まず)。

ハーネスキット

RAPiD BIKE ハーネス

各車種専用設計のケーブルだ。ほとんどの部分はカプラでワンタッチ接続になっている。
ところで,CBR1000RRのインジェクションはプライマリとセカンダリの2段構成になっているが,このコントローラーで制御するのはプライマリのみだ(これはPower Commanderも同じ)。

PC接続用USBアダプター

RAPiD BIKE USBアダプター

これでパソコンと接続してデータの転送をおこなうぞ

ソフトウェア Rapid Bike LITE

RAPiD BIKE ソフトウェア

CD-Rかよ...中身はソフトウェア本体・取り付け方法説明書(pdf)・PRO版(^^;のソフトウェアマニュアル(pdf)・代理店作成の日本語簡易版インストールマニュアルだ。そういや,ステッカーの一枚もオマケに付いてないよなぁ...

購入してから気づいた問題点があり,それは,「各車種&エキゾーストシステムに対応したセッティングデータが公開されていない!」ってことだ。てっきりWEBサイト(http://www.rapidbike.it/)のdownloadエリアにあるのかと思っていたんだが,そこはPRO版ソフトのユーザーでないと入れないそうだ(製造元へのメールによる確認)。

まぁ数種類のマップをメールで送ってくれたのでそれをベースに煮詰めていくか,PowerCommanderのデータを参考に入力していくかだなぁ。この点はPowerCommander側は太っ腹だよな。ソフトウェアはもちろんのこと各種データも自由にダウンロードできるんだから。

もう一つの問題は,「ソフトウェアのアップデートってあるの?」 バグフィックスやその他改善版の配布をやってくれるんだろうか...ちょっと心配だ。

モジュール接続用アダプター

RAPiD BIKE モジュール接続アダプター

買ってから気づいたが(というか,どこにも説明がなかったからてっきり必要なものかと...)これはなくても大丈夫だ。これがなくてもノートパソコンをバイクのところに持っていけば(この際,デスクトップパソコンでもOKだ。ある知人は,パソコンのある2階の部屋の軒下にバイクを押していって,2階からUSBケーブルを垂らしているそうだ。)接続できるぞ。これが必要なのはモジュールユニットをバイクから外して家の中でじっくり書き込みたい時だけか?

RAPiD BIKEの取り付け (2005.06.04)

ユニット本体は,説明書通りにリアシート下の小物入れスペースに設置するしかなさそう。大体,それを前提に付属ハーネスは設計されているようだし。その付属ハーネスの車体側ハーネスへの接続ポイントは以下の4ケ所だ。

1.クランクパルスジェネレーター

RAPiD BIKEの取付方法 クランクパルスジェネレーター分岐位置

車体右側の赤色カプラへのワンタッチ接続だ。元々は,赤色カプラのオスメスが接続されているが,そこにRAPiD BIKE付属のハーネス先端のカプラを割り込ませるぞ。

2.プライマリインジェクター

RAPiD BIKEの取付方法 プライマリインジェクター部

ガソリンタンク下の灰色カプラへのワンタッチ接続(4気筒あり,中央画像)だ。接続方法は上と同じ。4気筒へのカプラ接続順序は問わないが,付属ハーネスから分岐されている順番に付けるのが妥当だろう。

モジュールユニットへの電源供給も(恐らく)この系統からおこなっている。

3.スロットル(Th)センサ

RAPiD BIKEの取付方法 スロットルセンサ部

車体左側のスロットル(Th)センサへの接続はケーブル途中に割り込む必要がありここは要注意だ。このセンサには線が3本つながっていて,それぞれ+5V(黄地に赤ラインのケーブル),GND(灰地に黒ラインのケーブル),開度出力(赤地に黄ラインのケーブル)で,当然「赤地に黄ラインのケーブル」(付属マニュアルは英文なので「red-yellow striped wire」と記載されている)につながなければならない(右画像)。間違って「黄地に赤ラインのケーブル」につないでしまうとスロットル開度は常に100%で認識されるぞ。

付属のコネクタは防水仕様になっていないため対策が必要だ。雨天走行や洗車時に水が入ると計測ミスや走行不能になる可能性ありだ。詳細はCBR1000RRライディングレポート(第一回ツーリング)参照のこと

4.アース

付属ハーネスから分岐されているアース線をバッテリーのマイナス端子に取り付けよう。

RAPiD BIKEの補正メカニズム1(補正の領域について) (2005.07.21)

ここで,RAPiD BIKEのインジェクション補正メカニズムを簡単に説明しておこう。この項は,実体験を元に推測した補正原理をメーカーに確認して起稿したものであると最初に断っておく。原理的にはあっているものの実作動上は様々な変動要因により若干違いが出ることが予測される。

Load0%5%10%20%40%60%80%95%
rpm12345678
130200000000
203300500000
252500000000
308600000000
...以下続く...

マニュアルのどこにも書いてないが,右のマップの赤抜きの部分の補正が有効になるのは,

の領域となることを覚えておかないととんでもないことになる。

少し極端な例となるが,例えばスロットル開度が10-20%の領域で下画像左のようなA/F値が得られた場合,A/F比を14.0付近に補正するためには,2000rpm付近の薄い領域での増量と2500rpm付近の濃い領域での減量をおこない,下右表のようなデータにしたくなるところだ。

A/Fデータサンプル
Load0%5%10%20%40%60%80%95%
rpm12345678
130200000000
2033001000000
252500-2000000
308600000000
...以下続く...

ところが実際にこのデータにした場合,得られる結果は恐らく以下のグラフ(青丸:補正前,赤丸:補正後)みたいになるだろう。

A/F補正データサンプル1

これでは,「いったいどこを補正したんだ。元よりひどくなってるじゃないか」となってしまう(実体験より)。

これはなぜかというと,前述の「補正される回転数の領域」に着目して欲しい。そう,2033rpm(2525rpm)を補正するつもりで入力した値が,実は2033-2524rpm(2525-3085rpm)の領域を補正しているからなんだ。つまり,2033rpm以上では元々どんどん濃くなる傾向にあるのにさらに濃くするための補正が効いている。これじゃ,ぶれが大きくなっても仕方ないよな。

以上をふまえて,もう一度元データを確認してみると,

となるのが読みとれる。そこで再度データ入力をおこない,下左の表とすると,今度の結果は下右のグラフ(青丸:補正前,赤丸:補正後)のようになるだろう。元々が極端な例だっただけに補正しきれていない部分もあるが,未補正時に比べ山と谷のピーク間の差が小さくできている(逆に,3000rpm付近に変なリバウンドができてしまったが)。

Load0%5%10%20%40%60%80%95%
rpm12345678
130200400000
203300400000
252500-1000000
308600000000
...以下続く...
A/F補正データサンプル2

ここで気になるのがライバルのPowerCommanderだ。PowerCommanderはどんな領域の分け方をしているかが不明だが,アクセル開度・回転数ともにより細かく分けられているのでさらに緻密な補正ができるに違いない(憶測: 今回の例で出た変なリバウンドも押さえられる?)。(注2)

RAPiD BIKEもソフト上はもっと細かく分けられる(注1)だけにハード上の制約(?)により細分化できない(? メーカー回答)のが残念なところだ。

注1
データファイルは変な拡張子が付いているものの単なるテキストファイルなので,テキストエディタで開いて中身を確認し...中略...すると,ほぉら,スロットル開度10ステップ(標準は8ステップ),回転数40ステップ(標準は30ステップ)なんてのも可能だ。
ソフト上はそのデータファイルも認識されたが,ユニットに転送したらデータが化けちゃった。いや,一応は確認しておかないとね。残念!
注2:2008-02-21追記
PowerCommenderの領域分割方法についての情報を『Takachの道楽倶楽部BBS』で得られたので紹介しておこう。(辻さん,Thanks!)
ソフト上で設定可能な,スロットル開度:0%,2%,5%...100%,回転数:1000rpm,1250rpm,1500rpm...は,それぞれ各点でのピンポイント補正値。それらの中間では周辺各点の平均値となる。
PowerCommander補正メカニズム説明
 ・・・10%・・・20%・・・40%・・・
1000・・・54321・・・
・・・・・・7.56.55.54.53.5・・・
1250・・・109876・・・
・・・・・・024-1.5-7・・・
1500・・・-10-50-10-20・・・
上の例から見ると,
  • スロットル開度10%,回転数1000〜1250rpmの間では,10%1000rpm時の補正値「5」と10%1250rpm時の補正値「10」の平均値をとり「7.5」となる
  • スロットル開度20%〜40%,回転数1250rpmの間では,20%1250rpm時の補正値「8」と40%1250rpm時の補正値「6」の平均値をとり「7」となる
  • スロットル開度10〜20%,回転数1250〜1500rpmの間では,同様に周辺4点の平均値「2」となる
さすが老舗。凝った造りになってますね。

RAPiD BIKEの補正メカニズム2(加速ポンプ:変更はPRO版ソフト限定) (2005.07.21) (2005.10.04 Update!)

RAPiD BIKEの国内代理店サイトには,プロフェッショナル版ソフト(41,790円 高い!こんなの買えるか!)の説明も掲載されている。それを眺めていて気になったところをメーカーに確認したので記載しておこう。代理店サイトの説明文には

Punmp Correction。これらの3つの値は車種のマップにそれぞれに設定できます。
Increaseは、インジェクションの基本マップに、モジュールユニットにインストールする際、インジェクションマップ値全体にプラス%上乗せするかを設定する機能。
Sensingは、スロットルを回した時の感度を調節する機能。
Durationは、スロットルを回してから(ms=1/1000秒)エンジンが動く(インエジェクションが機能する)タイミングを設定します。実際には設定の時間差をおいてインジェクターからマップ値の燃料が噴射されます。

と記載されている。

ん?ちょっと待て! Durationなんだけど,掲載されている画像では設定値は900msecとなっているじゃないか。つまり,説明文から判断すると「スロットルを回してから900msecの時間差をおいてインジェクターからマップ値の燃料が噴射されます。」ってことか? これだとフル加速時には,900msecの間には1000rpm以上も回転数が上昇するので,900msecも待っていると上述の領域なんて一瞬で飛び越えてしまい,新たな領域に入りそこでまた900msec待ち時間があり...と全く補正されてない? ってことにならないのか?

これはどうにも納得できん,という訳で,マニュアル(下記上段)とメーカーに直接確認したメール(英作文ってのは時間がかかるよねぇ)を解読すると以下のようになる(だろう)。

原文:
Accelerating pump: limited petrol quantity increase for a sudden acceleration. The parameters are:
解読(?)すると:
加速ポンプ:スロットルのワイドオープン時にちょっとだけ燃料噴射量を増やすよ。そのパラメータは

なるほど,これなら納得だ。ちなみにCBR1000RRの場合,初期値はそれぞれ+2%-37sens900msecらしい。

例えば,ある程度大きなスロットル操作をした場合,900msecの間はマップ値+2%の補正値となり,それ以降は本来のマップ補正値となるってことだ。そういわれてみれば,確かに,スロットルワイドオープン時とクルージング時で同じ領域でもA/F比に違いがあったような気がする。

Takachも含めほとんどのユーザーはLITE版ソフトしか持っていないと思うので,PRO版でしかできないこのあたりのベース設定についての説明が欲しいよね,まったく。

セッティング変更幅が足りない? (2005.09.26)

セッティングを進めていく段階で遭遇したLITE版ソフトの不満点が,インジェクションセッティングの際のセッティング変更幅が足りない,って点だ。LITE版ソフトではノーマル比-10〜+20%の範囲で燃料噴射量を補正できるが,CBR1000RRの場合,インジェクターはプライマリ・セカンダリの二段構成であるもののRAPiDBIKEではプライマリインジェクターしか補正しないため(ちなみにこれはPowerCommanderでも同じ),セカンダリインジェクターの動作する範囲(3000prm以上,スロットル開度1/4以上)では,充分な補正を入れたつもりでもセカンダリインジェクター側はノーマル噴射量のままなので補正の効果は実際は半分程度(?)でしかなく,あっという間にマップ値が上下限いっぱいまできてしまったぞ。

こいつは困った。変更幅の広い(-100〜+100%)PRO版ソフトが必要なのか? と思ったが,ここで思い出したのが上でちょろっと書いたようにデータファイルは単なるテキストファイルってことだ。試しにテキストエディタで開いてデータを変更してみると...

LITE版ソフトで大きな変更幅

画像のようにソフト上でもデータは認識されるし問題なくユニットに転送も可能だ! 使い勝手は悪いけど,とりあえずこれでOKだね。

RAPiD BIKEのPRO版とLITE版の違い (2005.09.26)

ここまでの整理の意味も含めて,PRO版とLITE版(のソフト)の違いについてまとめておこう。

 PRO版LITE版備考
燃料噴射
変更範囲
-100〜+100%-10〜+20%LITE版では変更幅が足りない場合もあるが,上記裏技でカバー可能だ。
点火進角
変更範囲
-10〜+10°-2〜+2°同上
回転数
領域変更
×各領域の回転数設定についてLITE版は固定だがPRO版だと変更可能だ。
スロットル開度
領域変更
×各領域のスロットル開度設定についてLITE版は固定だがPRO版だと変更可能だ。
加速ポンプ
設定変更
×上記のようにPRO版のみ変更可能だ
他車種への転用×PRO版なら他車種のベースマップを書き込むことができるので転用可能だ(ケーブル類は購入必要)
Downloadエリア
ログイン
×PRO版のみ可能とのこと。そんなのどこにも書いてないじゃないか!

さて,PRO版ソフトユーザーからダウンロードエリアの情報が得られたのでここで紹介しておこう(情報感謝!)。そこには,

が掲載されている。ここで気になるのは「最新版(?)ソフト」で,情報によるとそのバージョンは1.2.132(PRO版,LITE版とも 2005.09.25現在)だ。 なにっ? 自分のは1.2.123bだ。いったいどこが変更されているのかは知らないがユーザーになんの連絡もなくバージョンアップするなんてどういうつもりだ!公開してくれよ!(と怒ってみる)

セッティング作業

それでは実際にセッティング作業を進めていこう...CBR1000RRインジェクションコントローラーRAPiD BIKE実践編

※関連ページ

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